はじめに

2026年10月7日の両学長ライブでは、「もし今月から高配当株投資を始めるならどう考えるか」という投資テーマと、企業で相次いでいる情報漏洩、AI利用とセキュリティの関係が大きな話題になりました。

配信タイトルには、近日中に少し休みを取る可能性があるという案内も含まれています。

今回のライブは、投資とセキュリティという一見別のテーマを扱っていますが、共通しているのは「表面の数字や話題だけで判断せず、仕組みを確認する」という点です。

高配当株なら、配当利回りが高いという理由だけで買わない。

AIなら、便利そうだからという理由だけで会社の情報を入力しない。

どちらも、メリットの裏側にあるリスクを把握したうえで使うことが大切です。

この記事では、2026年10月から高配当株投資を始める人が確認したいポイントと、最近の情報漏洩事案から個人・企業が学べるAIセキュリティの基本を整理します。

今日のライブの要点

今日のテーマを先に整理すると、次の3本柱です。

  1. 今から高配当株を始めるなら、利回りだけでなく企業の中身と分散を確認する
  2. 情報漏洩が増えている局面では、AIを原因と決めつけず、攻撃・運用・委託先を含めて事実を見る
  3. AIを仕事で使うなら、入力する情報と利用環境を分ける

さらに、ライブ配信について近日ちょっぴり休みを取る可能性が示されています。具体的な日程については、その時点の公式案内を確認するのが確実です。

2026年10月から高配当株投資を始めるなら

高配当株投資は、企業から受け取る配当金を積み上げながら資産形成する方法です。

株価が上がることだけを期待するのではなく、企業が稼いだ利益の一部を配当として受け取る点に魅力があります。

一方で、「配当利回りが高い銘柄=良い銘柄」ではありません。

2026年10月も、高配当株を特集する金融メディアや証券会社のランキングが多く出ています。しかし、ランキング上位だから買えばよいわけではありません。

株価が大きく下落した結果、見かけ上の配当利回りが高くなっている場合もあります。

配当利回りは入口であって結論ではない

配当利回りは、1株あたりの年間配当金を株価で割って計算します。

たとえば年間配当が100円、株価が2,500円なら、配当利回りは4%です。

数字だけを見ると分かりやすいのですが、株価が2,500円から1,500円へ急落すれば、配当額が同じでも利回りは高く見えます。

そこで確認したいのが、

  • なぜ株価が下がっているのか
  • 配当を維持できる利益があるのか
  • 一時的な特別配当ではないか
  • 今後の業績見通しはどうか

という点です。

利回りの高さは「調べるきっかけ」にはなりますが、「買う理由」そのものにはしない方が安全です。

高配当株で確認したい8つの項目

個別株を選ぶ場合、少なくとも次の項目を順番に確認すると判断しやすくなります。

1. 売上高

企業の事業規模が長期で伸びているか、極端な減少が続いていないかを見ます。

売上だけで良し悪しは決まりませんが、本業が縮小し続けている会社では、将来の利益や配当も不安定になりやすくなります。

2. 営業利益・営業利益率

本業でしっかり利益を出しているかを確認します。

一時的な資産売却などで最終利益だけが増えている会社より、本業の収益力が安定している会社の方が配当の持続性を考えやすくなります。

3. 1株当たり利益(EPS)

配当の原資になる利益が、1株当たりで長期的に伸びているかを見ます。

EPSが下がり続けているのに配当だけを維持している場合、どこかで無理が出る可能性があります。

4. 配当性向

配当性向は、利益のうちどれくらいを配当に回しているかを見る指標です。

配当性向が高ければ株主還元に積極的とも見られますが、高すぎる状態が長く続けば、利益が少し落ちただけで配当維持が難しくなることがあります。

企業によって適正な水準は異なるため、同業他社や過去の推移と比較します。

5. 自己資本比率・財務

高配当でも、借金が多く資金繰りに余裕がない企業では、景気悪化時に配当を減らす可能性があります。

現預金、借入金、自己資本、営業キャッシュフローなどを見て、財務に無理がないか確認します。

6. 配当実績と配当方針

過去にどの程度安定して配当してきたか、減配が多くないかを確認します。

さらに重要なのが、会社自身が示している配当方針です。

累進配当、DOE、配当性向目標など、企業ごとに株主還元の考え方が違います。

IR資料や決算説明資料の「株主還元方針」を確認すると、単なる予想配当利回りより判断材料が増えます。

7. 業種

良い企業を選んでも、同じ業種ばかりに集中するとリスクが偏ります。

銀行、商社、通信、保険、エネルギーなど、配当が比較的高く見えやすい業種がありますが、一つの業種に資金を集めすぎると、業界全体の悪材料の影響を受けやすくなります。

8. 買う価格

優良企業でも、価格が高すぎれば期待できる利回りは低くなります。

高配当株投資では「何を買うか」と同じくらい「いくらで買うか」が重要です。

焦って一気に買わず、候補銘柄をリスト化して、自分が納得できる利回りや価格になるまで待つ考え方もあります。

いきなり満額を入れない

「今月から始める」と決めたときに、用意した資金をすぐ全部投資する必要はありません。

高配当株投資は、個別企業を選ぶため、インデックス投資よりも企業分析の比重が大きくなります。

初心者なら、

  • 少額から始める
  • 複数銘柄へ分散する
  • 一度に買わず購入時期を分ける
  • 決算資料を読む習慣をつける
  • 配当が出た後も企業の状況を確認する

という進め方が現実的です。

金融庁も資産形成の基本として、長期・積立・分散投資を挙げています。

高配当個別株は「積立向け投資信託」と同じ商品ではありませんが、資産を一つに集中させないという分散の考え方は共通します。

NISAで高配当株を買うときの注意点

NISAの成長投資枠では、一定の上場株式を購入できます。

配当金や売却益を非課税にできるメリットがありますが、「NISAだから損をしない」という制度ではありません。

株価下落や減配のリスクは通常の口座と同じです。

また、国内株式の配当をNISAで非課税にする場合は、配当金の受取方法にも注意が必要です。証券会社の案内を確認し、NISA口座で配当を非課税で受け取れる設定になっているか確認しておきましょう。

NISA枠は貴重だからこそ、利回りランキングだけで埋めるのではなく、自分の資産全体とのバランスを考えます。

情報漏洩が相次いでいるのは事実

今日のもう一つの大きなテーマが情報漏洩です。

2026年9月末から10月にかけて、日本企業で大規模な不正アクセスや個人情報漏洩の公表が相次ぎました。

たとえばパーク24は、タイムズカーWebシステムへの不正アクセスにより、約660万件のアカウント情報が第三者に取得されたと公表しています。さらに約160万件では、運転免許証画像など本人確認書類の漏洩も確認されました。

物語コーポレーションも10月5日、「焼肉きんぐ」公式アプリの会員管理システムへの不正アクセスによる個人情報漏洩を発表しています。

このように複数社の被害が短期間に続いているため、「AIの発達が攻撃を増やしているのではないか」という見方が出てくるのは自然です。

しかし、個別の事件について、特定のAIモデルや特定の国が原因だと確認できていない段階で断定するのは避けるべきです。

「中国のAIモデルが関係?」をどう考えるか

配信タイトルでは「中国のAIモデルが関係?」という問いが示されています。

ここで重要なのは、次の3つを分けることです。

  • 攻撃者がAIを使った可能性
  • 特定のAIモデル自体に情報が漏れた可能性
  • 企業システムの脆弱性や運用不備が侵入経路になった可能性

これは同じ話ではありません。

生成AIの普及によって、プログラム作成、脆弱性調査、フィッシング文面作成、翻訳など、攻撃に使える作業のコストが下がる可能性は指摘されています。

一方で、企業が公表した不正アクセス事件について、AIの使用が公式に確認されていないなら「AIが原因」とは言えません。

まして「中国製AIだから漏洩した」と国籍だけで結論づけるのは危険です。

ライブで話題になったZ.ai「GLM-5.3」

ライブ冒頭では、中国のZ.ai(旧Zhipu AI)が開発した「GLM-5.3」が話題になりました。

米NIST傘下のCAISIは2026年9月17日、GLM-5.3を「これまで公開された中で最もサイバー能力が高いオープンウェイトモデル」と評価しています。一方で、総合的なサイバー能力は当時の米国最先端モデルより低く、およそ4か月分の差があるとも説明しています。

Anthropicも9月29日の検証で、GLM-5.3が脆弱性発見だけでなく、複数段階を組み合わせた攻撃コードの作成まで進められるケースを報告しました。高性能なサイバー能力が広く使えるようになると、防御側にとっては脆弱性の発見を早められる一方、悪用する側のコストも下げる可能性があります。

ここで区別したいのは「攻撃に使える能力があること」と「最近の日本企業の情報漏洩をGLM-5.3が引き起こしたこと」は別だという点です。

タイムズカーや焼肉きんぐなどの公表資料では、第三者による不正アクセスは確認されていますが、GLM-5.3が攻撃に使われたという公式発表は確認できません。ライブでも可能性の話として扱われていたため、原因を断定せず、今後の調査結果を見る姿勢が必要です。

見るべきなのは、利用するAIサービスの、

  • データ保存方針
  • 学習利用の有無
  • 管理者設定
  • アクセス権限
  • 監査ログ
  • 利用規約
  • 契約している企業向けセキュリティ機能

です。

IPAも「シャドーAI」のリスクを指摘

IPAは2026年7月、「セキュリティ担当者のための生成AIセキュリティ」を公開しています。

そこでは、会社が承認していないAIを従業員が業務で使う「シャドーAI」などによる情報漏洩リスクが挙げられています。

また、IPAの「AI利用者のためのセキュリティ豆知識」では、クラウドAIへ営業秘密を不用意に入力しないことなど、利用者側でできる対策が示されています。

アプリを消しても登録情報が消えるとは限らない

ライブでは「アプリを削除すれば情報も消えるのか」という質問も出ました。

スマートフォンからアプリを削除しても、企業側のサーバーや会員データベースに登録情報が残るケースはあります。アプリ削除と、サービスの退会・アカウント削除は別の操作だからです。

個人情報を減らしたい場合は、アプリを消すだけでなく、会員ページから退会手続きを行い、プライバシーポリシーで退会後の保存期間や削除方針を確認することが大切です。

「100%安全」ではなく、漏れたときの被害を小さくする

ライブでは、現在の高度な攻撃環境では「どんな攻撃にも耐えられる」と言い切れるサービスは考えにくいという趣旨の話もありました。

そのため現実的な対策は、侵入を完全にゼロにすることだけではなく、万一侵入されても重要情報まで一度に抜かれない設計にすることです。

  • サービス側で不要な個人情報を持ちすぎない
  • 決済カード情報は専門の決済事業者に任せ、自社システムへ保存しない
  • パスワードをサービスごとに分ける
  • 多要素認証を使う
  • 権限を必要最小限にする
  • 脆弱性修正とアップデートを早く適用する

これは企業だけでなく、個人がサービスを選ぶときにも確認できるポイントです。

AIを禁止すればすべて解決するわけでもありません。

禁止だけでは、便利さを求めた従業員が会社の管理外でAIを使う可能性があります。

そこで企業には、

  1. 使ってよいAIを決める
  2. 入力してよい情報を決める
  3. 個人情報・顧客情報・営業秘密を区分する
  4. 社外サービスとの連携権限を管理する
  5. ログを残す
  6. 従業員へ教育する

といった仕組みが必要になります。

個人でもできるAI情報漏洩対策

会社員だけでなく、フリーランスや個人事業主もAIを仕事で使う機会が増えています。

便利だからこそ、次の確認を習慣にしたいところです。

顧客情報をそのまま貼らない

氏名、電話番号、メールアドレス、住所、契約情報、病歴、口座情報など、個人を特定できる情報は、そのまま外部AIへ貼らないようにします。

必要なら匿名化し、目的に必要な部分だけを使います。

パスワード・APIキーを入力しない

AIへコードのエラーを相談するとき、設定ファイルを丸ごと貼り付けるとAPIキーや秘密鍵が含まれる場合があります。

送信前に認証情報がないか確認します。

AIに接続するサービスを増やしすぎない

メール、クラウドストレージ、カレンダー、顧客管理などをAIと連携できる時代になりました。

連携すると便利ですが、権限が増えるほど、万一のときに影響する範囲も広くなります。

使わない連携は解除し、必要な権限だけに絞ります。

出力も確認する

AIセキュリティは「入力を守る」だけではありません。

AIが生成したコードに脆弱性がないか、誤った設定を勧めていないか、人間側で確認する必要があります。

AIを便利な作業者として使いながら、最終確認は利用者が行うという考え方が重要です。

投資とセキュリティに共通する考え方

高配当株とAIセキュリティには、共通点があります。

それは「分かりやすい数字・便利さだけで判断しない」ということです。

高配当株なら、5%や6%という利回りだけを見るのではなく、その配当が続く理由を確認します。

AIなら、回答が速い、無料、性能が高いというメリットだけでなく、入力データがどう扱われるかを確認します。

どちらも、

「使わない」

か

「何も考えず使う」

の二択ではありません。

仕組みを理解し、リスクを抑えながら使うことが現実的です。

近日ちょっぴりお休みの可能性について

今回の配信タイトルには、「近日ちょっぴりお休みをもらうかもしれません」という案内があります。

毎朝のライブを追っている人にとっては気になる部分ですが、具体的な休止日や再開日は最新の公式案内で確認するのがよいでしょう。

ライブが休みの日は、過去動画を見返す機会にもできます。

特に今回の高配当株テーマに関心があるなら、

  • 高配当株の基本
  • 財務諸表の見方
  • 配当性向
  • 分散投資
  • NISA
  • 生活防衛資金

といった基本テーマを一つずつ復習すると、次に個別銘柄を見るときの判断がしやすくなります。

確認済みQ&A

Q1. 2026年10月から高配当株投資を始めるのは遅いですか

時期だけで「遅い」「早い」と決める必要はありません。

大切なのは、生活防衛資金を確保し、投資に回せる余裕資金を用意したうえで、銘柄を分散して無理のない金額から始めることです。

高配当株はいつでも割安とは限らないため、候補銘柄を作り、価格と企業内容の両方を確認します。

Q2. 配当利回りが高い銘柄を上から買えばよいですか

おすすめしません。

利回りが高くなった理由が、株価急落や一時的な特別配当である可能性があります。

売上、利益、EPS、配当性向、財務、配当履歴、会社の還元方針を確認し、複数業種へ分散します。

Q3. 中国のAIを使うと情報が漏れるのでしょうか

国籍だけで安全・危険を判断することはできません。

利用規約、データ保存、学習利用、アクセス権限、管理機能、企業向け契約などを確認する必要があります。

また、最近公表された個別の情報漏洩事件について、特定のAIモデルが原因だと公式発表されていない場合は、因果関係を断定しないことが大切です。

まとめ

2026年10月7日の両学長ライブでは、高配当株投資と情報セキュリティという二つのテーマが示されました。

今日のポイントを整理すると、次のようになります。

  • 高配当株は配当利回りだけで選ばない
  • 売上、利益、EPS、配当性向、財務、配当履歴、業種、購入価格を確認する
  • 一つの銘柄や業種へ資金を集中させない
  • NISAを使っても株価下落や減配のリスクはなくならない
  • 最近、国内企業で大規模な情報漏洩が相次いでいる
  • AIが攻撃を効率化する可能性と、個別事件の原因は分けて考える
  • 特定の国やAIモデルを根拠なく原因と断定しない
  • AIへ入力する情報、権限、連携先、ログ管理を確認する

投資でもAIでも、便利なものを避け続ける必要はありません。

一方で、分かりやすいメリットだけを見て使うのも危険です。

「何が起きたら困るのか」「どこまでなら損失を受け止められるか」「自分で確認できる項目は何か」を整理してから使う。

この考え方を持っておくと、高配当株にもAIにも、落ち着いて向き合いやすくなります。

参考情報