ライブ配信では、時間の都合で取り上げられない質問も少なくありません。そこで資産形成ナビでは、配信中に流れた質問の中から「これは多くの人の参考になりそう」と感じた内容を、Q&Aシリーズとして整理していきます。
今日の質問
年収695万円以下なら、国内高配当株の配当控除を使った方が得と聞きました。本当にそう考えてよいのでしょうか。
結論
年収だけでは判断できません。見るべきなのは、年収ではなく課税所得、配当の種類、所得税と住民税、国民健康保険や扶養への影響です。
配当控除は有利になることがありますが、誰でも必ず得になる制度ではありません。最終判断は、国税庁の情報や税理士に確認してください。
配当控除は何を見る制度か
配当控除は、一定の配当所得について、所得税を計算するときに使える税額控除です。国税庁の説明では、課税総所得金額等や配当の種類によって控除の計算が変わります。
参考: 国税庁 No.1250 配当所得があるとき 配当控除
つまり、「年収695万円以下なら得」とだけ覚えるのは危険です。給与所得控除、基礎控除、社会保険料控除、扶養控除、医療費控除などによって、課税所得は人ごとに変わります。
国内株配当が中心
配当控除の対象になりやすいのは、主に国内株式の配当です。外国株、投資信託、ETFなどは扱いが異なる場合があります。
また、上場株式等の配当は、申告不要、総合課税、申告分離課税などの選択肢があります。国税庁は、申告分離課税を選ぶと配当控除は受けられないと説明しています。
参考: 国税庁 配当金を受け取ったとき
住民税や国保への影響も見る
所得税だけ見ると得に見えても、住民税、国民健康保険料、扶養、各種給付への影響で不利になることがあります。
特に自営業、フリーランス、年金生活者、国民健康保険に入っている人は、申告によって保険料や負担が変わる可能性があります。会社員でも、扶養や所得制限に関わる人は注意が必要です。
「所得税が少し戻る」だけで判断せず、全体の手取りで見ましょう。
確認する順番
ざっくり確認するなら、次の順番です。
- 配当が国内株式の配当か確認する
- 源泉徴収あり特定口座か確認する
- 課税所得を確認する
- 総合課税、申告分離課税、申告不要を比較する
- 住民税、国保、扶養への影響を見る
- 不安なら税理士や税務署に確認する
税金は、たった一つの条件だけで正解が決まりにくい分野です。
まとめ
- 配当控除の損得は年収だけで判断しない
- 基準として見るのは課税所得
- 国内株配当か、投資信託や外国株かで扱いが変わる
- 住民税、国保、扶養への影響も確認する
- 最終判断は国税庁情報や税理士に確認する
「年収695万円以下なら得」と丸暗記するより、自分の課税所得と申告方法を確認する方が安全です。