結論|収入を増やす力と、資産を守る力の両方が必要

今回のYouTubeライブのタイトルには、「AIだけでは転職で年収が上がらないのか」というキャリアの話題と、「本物の警察署の電話番号からかかってきたように見える詐欺電話」という資産防衛の話題が並んでいます。

一方はお金を増やす話、もう一方はお金を失わない話です。性質は異なりますが、どちらも日々の生活に直結します。転職による年収アップを考える際には、AIツールを使えるという事実だけでなく、これまでの実務経験と成果を企業に伝えることが重要です。また、詐欺への備えでは、電話の表示番号が正しいという理由だけで相手を信用しないことが重要です。

本稿の要点は三つあります。第一に、転職の成功率を語る統計は「誰を調べた数字か」を確認すること。第二に、AI活用は仕事の成果につながる具体例で示すこと。第三に、警察を名乗る電話で資金移動を求められたら、一旦切って独立した公式窓口に確認することです。

この記事は、動画のタイトル・概要欄で確認できる主題について、厚生労働省、転職サービス運営会社、警察庁の資料を調べて独自に構成しました。動画の日本語字幕を取得できなかったため、配信者の具体的な発言や見解を推測して再現するものではありません。

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転職すると本当に年収は上がる?統計の見方

「転職すれば年収が上がる人が増えている」と聞くと、今の職場を辞めるだけで収入が増えるように感じるかもしれません。しかし、転職先の業種、担当職務、経験年数、働く地域、雇用条件によって結果は異なります。

パーソルキャリアが運営する転職サービス「doda」は、2026年8月24日に「転職による年収アップ成功者の傾向2026年版」を公表しています。対象は、2025年10月から2026年3月に同社エージェントサービスを利用して転職した人です。この対象者の64.1%が年収アップし、年収が増えた人の平均アップ金額は109万4,383円だったと公表されています。

「64.1%」をすべての転職者に当てはめない

ここは特に誤解しやすいところです。この64.1%は、日本で転職したすべての人の割合ではありません。対象期間中に特定のエージェントサービスを利用した転職者の集計です。また、109万4,383円という金額も、全員の平均ではなく「年収が上がった人だけ」の平均です。

同調査では25〜29歳で年収が上がった人の割合が67.9%と最も高く、35〜39歳で年収アップ金額の平均が131万2,602円と大きくなっています。しかし、個人の転職で同じ結果が得られることを約束するものではありません。

厚生労働省の「令和7年雇用動向調査」も転職入職者の賃金変動状況を扱っています。ただし、民間調査と公的統計では対象者の選び方や賃金・年収の定義が異なることがあります。別の調査の数字を単純に足したり、「どちらが本当か」と二者択一にしたりするのは適切ではありません。

年収アップは「同じ業界に残ること」が絶対条件ではない

同じdoda調査では、異なる業種・異なる職種の両方に移った人でも61.2%が年収アップしたとされています。逆に言えば、まったく新しい仕事に挑戦した人すべてが成功しているわけでもありません。

企業が求める経験と、自分が持つ仕事の進め方が合えば、業界を変える選択も考えられます。特に「お客様の要望を聞いて解決した」「複数人の作業を調整した」「ミスを減らす仕組みを作った」などの経験は、別の職場でも役立つ場合があります。

ただし、特定の資格が必要な職業や、高度な専門技術を前提とする職業では追加の学習が必要です。「未経験でも必ず高年収」という広告には慎重になるべきでしょう。

AIが使えるだけでは足りない?評価される仕事の伝え方

ChatGPTなどの生成AIを使う人が増えると、履歴書に「AI活用ができます」と記載するだけでは、担当できる仕事や成果の大きさが伝わりにくくなります。

そこで重要なのが、AIを使って何を改善したかです。使ったツール名よりも、改善した業務、本人の担当範囲、成果の根拠があると採用する側も評価しやすくなります。

例えば、次の二つの説明を比べてみましょう。

書き方企業側に伝わりやすい内容
「生成AIで文章を作れます」ツールを利用した経験があること
「問い合わせ対応案の下書きに生成AIを使い、内容を確認して回答を標準化した」担当した業務、判断と改善の流れ

さらに効果を定量的に示せる実績があるなら、作業時間の短縮や対応品質の改善などを根拠と一緒に説明できます。ただし、実際に測っていない削減率や売上増加額を作ってはいけません。 数字の実績がない場合は、工程や工夫の内容を正確に伝えれば十分です。

人が担う判断は残る

生成AIは資料の要約や文章の草案作成、簡単なプログラムの補助などに使えます。一方、内容の事実確認、法令や企業ルールとの適合、個人情報の取り扱い、顧客との信頼関係づくりは、利用者や事業者が責任を負う分野です。

「AIに全部任せた」と説明するより、「AIの結果を人が確認し、品質を保って運用した」と説明できるほうが、仕事上の判断力が伝わります。業務内容によっては、AIツールの社内利用に制約があるため、転職前の勤務先や応募先のルールも確認しましょう。

AI以外の持ち運べるスキルも棚卸しする

厚生労働省の職業情報提供サイト「job tag」には、仕事の内容、必要な知識・スキル、職業ごとの特徴、自己診断ツール、キャリア分析などがあります。

今の仕事の経験を整理するときは、「顧客対応」「問題解決」「業務改善」「数字の管理」「チームとの調整」などの観点で具体例を挙げてみましょう。AIの操作方法だけでなく、こうした持ち運べるスキルが応募先でどう役立つかを考えます。

公式のキャリア分析を使って、希望する職業で必要とされるスキルと現在のスキルの差を調べることもできます。

参照:厚生労働省 職業情報提供サイト job tag

年収が増えても生活が苦しくなるケースはある

額面の年収が増えるだけで、家計が必ず改善するとは限りません。転職の判断では給与明細に現れるお金と、生活に必要な支出を合わせて考える必要があります。

例:年収400万円から460万円に上がる場合

仮に額面年収が400万円から460万円へ増えると、差額は年間60万円、単純に12か月で割ると毎月5万円です。ただし、これは税金や社会保険料を差し引く前の数字であり、手取りが毎月5万円増えるという意味ではありません。

転職で交通費や昼食代が増えたり、引っ越しが必要になったりすれば、実際に使えるお金はさらに変わります。反対に、在宅勤務や近距離通勤に変わり、支出や移動時間が減る人もいます。

比較するときは、基本給、固定残業代、賞与、各種手当、退職金制度、勤務時間、有給休暇、試用期間、雇用形態などを確認しましょう。残業代が一定額まで給与に含まれる場合、求人票に書かれた年収の意味が変わることがあります。

年収比較に使える簡単な表

項目今の職場転職先候補
基本給と賞与現在の実績提示条件と支給条件
残業・休日実際の時間想定時間と手当
通勤・勤務場所現在の負担新しい負担
福利厚生会社の制度変更される制度
学べるスキル今後の伸びしろ新しい経験・研修
生活への影響家族や健康との両立働き方の変化

転職の目的が収入増だけでなく、体力面での負担軽減、家族との時間、働きやすさにある場合もあります。その場合は年収額に加えて、自分が何を優先するのか決めて判断することが重要です。

転職のために高額な講座を申し込む場合も、「受講すれば必ず採用される」といった保証のない勧誘には注意してください。無料で利用できる公的情報やキャリア相談などを先に確認し、費用対効果を考えましょう。

ニセ警察詐欺が急増|電話番号だけでは本物を判断できない

もう一つの主題は、警察官を名乗る特殊詐欺です。「警察署からの電話なら大丈夫」と思いがちですが、スマートフォンに表示される番号自体が偽装されることがあります。

警察庁は、実在する警察本部や警察署の電話番号を発信者番号として偽装表示させる手口を確認したと案内しています。国際電話番号の末尾を「0110」にして警察らしく見せかけるケースだけでなく、実際の代表電話番号を表示させる例もあります。

そのため、「検索したら実在する警察署の番号だった」という確認だけでは、本物だと断定できません。これは電話番号の表示に関する注意であり、その警察署自体が関与しているという意味ではありません。

被害はどれほど大きいのか

警察庁が2026年10月2日に公表した、2026年1月から8月末までの特殊詐欺全体の暫定値は、認知件数29,687件、被害額2,360.7億円です。前年同期と比べ、認知件数は14.4%、被害額は33.2%増加しています。

対象認知件数被害額
2026年1〜8月の特殊詐欺全体(暫定値)29,687件2,360.7億円
前年同期との差+3,732件+588.4億円

この数字はニセ警察詐欺だけの被害額ではありません。 動画タイトルでは「偽警察詐欺、過去最悪の被害額」と紹介されていますが、掲載数字をニセ警察詐欺単独の過去最高額として扱わないよう注意が必要です。

警察庁の2025年確定値では、ニセ警察詐欺の認知件数は11,014件、被害額は1,005.0億円と公表されています。さらに2026年からは統計上の分類が整理され、ニセ警察詐欺を独立した手口として位置付けています。年や分類の異なる数字を直接比較するときは定義を確認してください。

最新統計:警察庁「令和8年8月末の特殊詐欺の認知・検挙状況等について」

ニセ警察詐欺の典型的な流れと危険な言葉

詐欺の手口は一つではありませんが、警察庁の注意喚起には次のような事例が示されています。

最初に、警察や通信事業者を名乗る人から電話がかかってきます。「あなた名義の口座が事件に使われている」「捜査の対象になっている」といった話で不安をあおります。次に、LINEなどのメッセージアプリやビデオ通話へ誘導し、偽物の警察手帳や逮捕状の画像を示すことがあります。

そして「口座を調べる」「資金を保全する」「身の潔白を証明する」などの名目で、銀行振込や資金移動を要求するのです。「家族や銀行員には言わないで」と口止めする例もあります。

こうした連絡を受けると、身に覚えのない事件を示されて動揺するかもしれません。しかし、警察庁は、警察がSNSで連絡したり、捜査名目で現金を振り込ませたり、逮捕状をSNSの画像で見せたりすることはないと案内しています。

こんな要求が出たら危険

  • 「このままだと逮捕される。お金を移動させてください」
  • 「預金の安全確認に必要なので、指定口座に送金してください」
  • 「LINEのビデオ通話で警察手帳を確認してください」
  • 「今は誰にも相談しないでください」
  • 「自宅にある現金や金地金を調査のために提出してください」

警察庁は、現金に限らず金地金などをだまし取る手口も公表しています。相手が警察を名乗っていても、送金や貴重品の受け渡しを求められたら詐欺を疑ってください。

本物の警察署の番号が表示されたらどうする?

いちばん重要なのは、一旦電話を切り、その着信とは独立した方法で相談することです。

1.その場で個人情報や口座情報を教えない

突然の電話で、住所、生年月日、口座番号、ネットバンキングの暗証番号、ワンタイムパスワード、マイナンバーなどを求められても、すぐに教えないようにしましょう。電話越しに言われた「捜査に必要」という説明だけで判断してはいけません。

2.電話を切って、#9110などへ確認する

警察庁の注意喚起では、警察相談専用電話「#9110」への相談が案内されています。緊急の事件や差し迫った危険がある場合は110番を使います。

着信画面に出ていた番号へそのまま折り返すのではなく、自分で確認した警察署の公式番号へかける方法もあります。ただし、検索結果に偽の案内が紛れていないかにも注意し、警察庁や都道府県警察の公式サイトを参照してください。

3.LINEやビデオ通話に移動しない

電話からLINEなどに移す要求は、警察を装った詐欺の典型的な流れとして紹介されています。本人確認のために画面越しで警察手帳や逮捕状を見せる、と言われても従わないでください。

4.家族や身近な人に相談する

詐欺の電話では、口止めや期限を設けることで冷静な判断を妨げる場合があります。疑わしい連絡が来たら、本人だけで結論を出さずに第三者へ相談しましょう。高齢者だけでなく、若年層にも被害があるため、家族の年齢だけで安全だと決めつけないことが大切です。

5.送金してしまったら、すぐに銀行と警察へ

もし振込や送金をしてしまった場合は、取引先の金融機関の正規窓口へ速やかに連絡し、警察へ相談してください。振込先や時刻、相手の発言、着信履歴、SNSのやり取りなどの記録を保存しましょう。送金の取消しや被害回復ができるかは個別事情によるため、確実に戻るとは限りません。

電話詐欺に強い家計を作るための「事前の約束」

実際の詐欺電話がかかってきた時に初めて対応を考えるのは難しいものです。そこで家族や身近な人と、あらかじめ三つの約束をしておくことをおすすめします。

一つ目は、警察・金融機関を名乗る電話でお金の移動を求められても、電話を切るまで手続きしないこと。二つ目は、公式窓口や#9110で確認すること。三つ目は、一人で判断せずに相談することです。

銀行や証券口座の通知設定を有効にし、身に覚えのない取引を定期的に確認することも資産防衛に役立ちます。パスワードの使い回し解消、多要素認証、正規アプリからのログインなどもあわせて見直しましょう。

詐欺対策のために高額な機器を必ず購入する必要はありません。固定電話で国際電話からの着信を減らす対策や、通信会社が案内する迷惑電話への機能を確認する方法もあります。ただし、電話番号偽装に対してすべての方法が万能というわけではないため、最後は「その場では送金せず、別経路で確認する」という行動を徹底してください。

収入アップと防犯を一緒に進める1週間の行動計画

転職も詐欺対策も、情報を集めるだけでは行動につながりません。今週できることを小さく分けておくと続けやすくなります。

取り組み行動の例
転職の目的を決める年収、勤務時間、通勤、家庭との両立から優先順位を付ける
実績を書き出す課題、担当した行動、結果、確認できる根拠を整理する
AIの使い方を整理するツール名より、品質を確認して改善した工程を記録する
求人票を比較する基本給、賞与、固定残業代、休日、勤務地を一枚にまとめる
公式窓口を控える#9110と主要金融機関の連絡先を確認する
口座を点検する通知、認証、取引履歴、登録先の連絡先を確認する
家族と共有する電話で資金移動を求められても、その場で決めないと約束する

この表を全部こなせなくても構いません。仕事の面では一つでも実績を具体化し、防犯の面では相談先を一つ確認するだけでも、次の行動がはっきりします。

よくある質問

Q.AIを使えると書けば、転職で年収が上がりますか?

保証はありません。採用する企業が必要とする知識・経験、応募者が担える業務、実際の成果などによって評価は変わります。AIを使った具体的な改善例を正確に説明することが大切です。

Q.転職した人の64.1%が年収アップしたという数字は本当ですか?

dodaが2026年8月に公表した調査では、対象期間中に同社エージェントサービスを利用して転職した人の64.1%が年収アップしたとされています。日本全体のすべての転職者の割合ではないことに注意してください。

Q.年収が上がった人の平均アップ金額109万円は誰でも目指せますか?

この金額は調査対象のうち年収が上がった人だけの平均値です。勤務地や経験、職種で結果は異なり、全員に同じ額が見込まれるわけではありません。

Q.警察署の本物の電話番号が着信画面に表示されても詐欺ですか?

正規の電話である可能性もありますが、表示番号を偽装する詐欺の手口が確認されています。番号だけで相手を信用せず、疑わしい場合は電話を切り、公式サイトで調べた連絡先や#9110から確認してください。

Q.警察官を名乗る人からLINEで逮捕状を送られました。どうしたらよいですか?

ニセ警察詐欺を疑ってください。相手の指示で送金や情報入力をせず、やり取りの記録を残して、警察相談専用電話#9110などへ相談しましょう。

Q.振り込んだお金を返してもらえますか?

回復の可能性は取引状況などによって異なります。まず金融機関へ速やかに連絡し、警察へ相談してください。相手が「返金のために追加料金が必要」と言っても、安易に応じないことが重要です。

まとめ|転職も詐欺対策も、判断の根拠を持とう

転職で年収アップを目指すときは、AIツールを使えることだけでなく、仕事で培った経験、成果、判断力を整理することが大切です。統計を見る際は、誰を対象にした数字なのかを確かめ、自分の働き方と家計の条件に照らして考えましょう。

そして資産を守る面では、本物の警察署の番号が表示されても、その情報だけで判断してはいけません。ニセ警察詐欺は身に覚えのない事件や逮捕を持ち出し、送金を要求することがあります。落ち着いて電話を切り、#9110などの公式窓口へ確認する習慣を身につけることが重要です。

収入を増やす準備と、積み立ててきたお金を守る対策は、どちらも資産形成の一部です。 今日できることから少しずつ進めましょう。

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出典・確認範囲

以下は2026年10月19日に確認した情報です。統計値には対象期間と集計方法があり、最新の訂正・更新があれば各資料の原本を優先してください。

※動画から日本語の自動字幕を取得できなかったため、本稿は動画タイトルに対応した独自解説です。配信者の発言を転載・要約したものではありません。転職による待遇改善や個別の損害回復を保証するものではありません。