2025年1月のモデルから初心者が学ぶべきこと

高配当株の候補を選ぶとき、「配当利回り5%以上だから買いたい」と考えてしまうことはありませんか。受け取れる配当金が多いほど魅力的に感じますが、その利回りが長く続くとは限りません。

2025年1月6日付の高配当株マガジン第65回では、2024年末の日本株と米国株の動きを整理し、新たに高配当株のモデルポートフォリオを組む場合の例が紹介されました。前月から除外する企業はなく、食品関連のアリアケジャパン(2815)と、化学関連の日本精化(4362)を追加する構成です。J-REITなどの配分も調整されています。

特に注目したいのは、アリアケジャパンの配当利回りが一時的な記念配当を含むため高く見えるという点です。企業の実力を調べるときは、普通配当と記念配当・特別配当を分け、企業が利益と現金収入で毎年どの程度の株主還元を続けられそうかを考える必要があります。

この記事は会員向け投稿の原文・添付図版を転載せず、確認したテーマを独自に整理した、資産形成ナビによる非公式の学習記事です。動画や会員向け記事の運営元とは無関係であり、個別銘柄の購入を促すものではありません。

※情報基準日:市場の数字は主に2024年12月30日、元投稿は2025年1月6日、一次資料の確認日は2026年10月19日です。2025年当時の採用理由、株価、利回りを現在の投資判断にそのまま用いないでください。株価下落、元本割れ、減配・無配、為替や金利の変動などのリスクがあります。

2024年12月末の日経平均は39,894.54円

まず、月次モデルが作られた当時の相場を確認します。2024年12月30日の日経平均株価は39,894.54円で、前月末の38,208.03円から1,686.51円、約4.41%上昇しました。

同日の加重平均PERは16.14倍、加重平均PBRは1.47倍でした。日経平均プロフィルの公式日次データで確認できます。

指標2024年12月末の参考値確認時の注意
日経平均株価39,894.54円12月30日の終値
前月末比+1,686.51円約4.41%の上昇
日経平均PER16.14倍加重平均。指数方式のPERとは異なる
日経平均PBR1.47倍加重平均。指数方式とは異なる
米ドル/円156.83円元投稿に掲載された当時の参考値
日経高配当株50の利回り約4.15%元投稿に掲載された参考値
配当利回り3.75%以上の企業763社元投稿独自の集計。条件の再現は未確認

日経平均の終値・PER・PBRは日経平均プロフィルの公式日次サマリーと2024年12月の指数リポートで照合しました。為替・高配当株指数の利回り・企業数は元投稿の基準に沿った数字で、集計時刻や対象範囲を完全に同条件で照合できていないため、参考値としています。

日経平均が月間で上昇した背景には、米国のハイテク株上昇を背景とする半導体関連株への買い、円安を受けた自動車・機械関連株への資金流入などがありました。ただし、すべての個別株が同じ幅だけ上がるわけではありません。業種や会社によって株価も配当も異なります。

日経平均の上昇と配当株の利益は同じではない

高配当株投資の成果を確認するときは、まず「株価だけの増減」なのか「受け取った配当を含むトータルリターン」なのかを区別しましょう。

例えば株価が購入後に8%上昇し、年間3%相当の配当を受け取った場合でも、税金や配当の受取時期によって最終的なリターンは変わります。価格指数と配当再投資指数を混ぜて比較すれば、成績の印象が違ってしまいます。

元投稿では、2024年12月の参考成績として日本の高配当株指数が約4.5%上昇、米国の高配当株指数が約5.3%下落という対比が紹介されていました。ただし今回、指数名や配当・為替を含む条件まで一致させた一次資料による再照合はできていません。あくまで当時の相場観を知る参考であり、厳密な同条件比較ではありません。

また、元投稿には2024年の年間成績として日本の高配当株指数が約20%、米国の高配当株指数が約15%上昇したという参考数値がありました。これらも集計方法や配当の扱いによって変わるため、どちらが必ず長期投資で有利かを示すものではありません。

2024年末の円安と米国債利回りの影響

当時の米国債10年物利回りは4.6%程度まで上がっていました。金利が高くなると、価格変動のある株式に投資する理由を改めて考える人も増えます。

例えば米国債と高配当株を比べる場合、債券の利払いと株式の配当は性質が違います。米国債は米ドル建てで保有すれば米国政府の信用に依存しますが、途中売却では市場金利の変化による価格変動があり、円で考える日本の投資家には為替リスクもあります。株式の配当は、企業利益や経営方針により減配・無配になる可能性があります。

金利上昇を受けて株式の相対的な魅力が変わることはありますが、「米国債の利回りが高いから株式は必ず下落する」とは言えません。株式には企業成長からの値上がり益もあり、それが実現するかどうかは将来の業績と市場評価次第です。

同じころ円安が進み、日本の輸出関連企業には追い風と見られる局面がありました。一方、輸入原材料やエネルギーを使う企業はコストが増える可能性もあります。日本株を円で売買していても、事業を通じた為替の影響は残ります。

円高・円安を予測してから投資するべき?

為替を正確に当て続けることは難しいものです。為替相場は金利差、インフレ、政策への予想、世界的な資金の動きなどに左右されます。

ドル建てETFを購入する場合には、株価がドルベースで上昇していても円高が進めば円換算の利益が縮小することがあります。反対に、円安は円換算の資産額を押し上げる場合があります。

重要なのは為替予測を的中させることより、必要な生活費を円で確保し、株式、投資信託、現金などの資産配分を自分の目的に合わせることです。

2025年1月モデルは2銘柄を追加、除外なし

元投稿に掲載された当時の入れ替えを整理すると、次の構成でした。

区分企業・資産当時の注目点
新規追加アリアケジャパン(2815)天然調味料、利益率、財務、普通配当と記念配当の違い
新規追加日本精化(4362)化学原料、ニッチ分野、高い自己資本比率と収益力
新規除外なし前月の採用企業を継続して評価
配分調整J-REITなど業種・資産ごとの偏りを見直す

「モデルに追加された」という言葉を、今すぐ買うべきだという意味に捉えないようにしてください。2025年のモデルは当時の株価・配当予想で作られた一例です。現在では株価や配当方針だけでなく、会社の業績や財務が変わっている場合があります。

前月モデルを知りたい人は、2024年12月モデルの解説を先に読むと違いが分かりやすくなります。

アリアケジャパン(2815)はどんな会社?

アリアケジャパンは、天然調味料などの開発・製造・販売を手がける食品関連企業です。外食、加工食品、業務用食品などの分野と関係があります。

消費者にはあまりなじみのない商品でも、食品メーカーや飲食関連の企業を通じて広く使われることがあります。食品関連の企業をポートフォリオに組み入れる理由の一つは、製造業や不動産、情報通信とは異なる需要を持つ可能性があることです。

元投稿では、当時の営業利益率が17.6%、自己資本比率が88.3%、無借金といった収益力・財務の良さが紹介されていました。これらは2025年1月時点の資料に基づく投稿中の数値で、現在の会社の業績を表すものではありません。最新の数字については必ず企業IRを確認してください。

財務指標が良好でも、原材料高、海外展開、食品業界の需要、競合との価格競争などのリスクがなくなるわけではありません。今後も増益・増配を続ける保証はありません。

公式確認先:アリアケジャパン・株式基本情報、決算発表資料。

記念配当を含めた利回りに注意

第65回の元投稿では、アリアケジャパンの当時の配当利回りが5.94%と高く見える一方、記念配当を除いた普通配当ベースでは約3.56%である点が強調されていました。

記念配当は、企業の周年記念など特別な事情で実施される配当です。特別配当も一時的な事情で支払われることがあります。どちらも翌年以降も同じ額が続くとは限りません。

たとえば株価が3,000円、普通配当が1株110円、記念配当が60円なら、年間合計170円で利回りは約5.67%です。翌年に記念配当がなく、普通配当110円だけになれば、同じ株価を基準とした利回りは約3.67%に下がります。

これは考え方を示す仮の計算例で、アリアケジャパンの実際の当時の株価・配当額を示したものではありません。

配当の種類特徴判断するときの注意
普通配当会社の通常の利益配分として行われる来年も同額とは限らない
記念配当周年記念など特定の理由で上乗せされる一時的で翌年はなくなる可能性
特別配当資産売却など特定の利益や事情を背景に行われることがある毎年続く前提にしない

企業の公式配当ページでは、利益に応じた還元とDOE(自己資本に対する配当の割合)を重視する方針が公表されています。ただし、DOEの目標を掲げることと、株価や配当金が保証されることは別です。

公式資料:アリアケジャパン・配当と利益配分方針。

高配当株として検討する場合には、表面利回りだけでなく、記念配当を除いた水準、配当性向、利益、営業キャッシュフローを比べましょう。

日本精化(4362)はどんな会社?

日本精化は、化粧品や医薬品などに関わる原料・化学製品の分野を手がける企業です。日常生活に関わる製品の材料を提供する企業であっても、消費者が直接社名を見る機会は少ないかもしれません。

元投稿では、当時の営業利益率が15.8%、自己資本比率が78.5%、無借金といった財務面の強みが紹介されました。これも元投稿の時点の参考数値であり、最新の財務状態を保証するものではありません。

医薬・化粧品関連の原料には、顧客が品質や供給安定性を重視するものがあります。一方で、原材料価格、製造コスト、研究開発、設備投資、顧客業界の需要変化などの影響を受けることもあります。

会社の利益率が高いからといって株価が下がらないわけではありません。高い利益率が今後も続く理由を説明できるか、競争環境や顧客との関係がどうなっているかを調べる必要があります。

日本精化の配当を調べるときはDOEも確認

日本精化は株主還元を考えるうえで、DOE(連結純資産配当率)を指標にする方針を示しています。DOEは配当総額を自己資本と比べる指標で、利益に対して配当をどれだけ支払うかを見る配当性向とは異なります。

たとえば一時的に利益が落ちた年でも、財務が安定している企業が一定水準の配当を続けることはあります。ただし、その状態が長く続くなら内部留保やキャッシュフローへの負担も確認する必要があります。

2024年の株主総会資料では、連結純資産配当率3.5%を目安とする当時の方針が示されていました。2026年3月期決算資料ではDOE4.3%を目安とする記載もあり、株主還元方針は時間とともに変化しています。このように過去の考え方と最新の会社方針を混同しないことが重要です。

公式資料:2024年の株主総会議案、日本精化・2026年3月期決算短信。

2銘柄を追加することで分散になる?

アリアケジャパンと日本精化はそれぞれ食品関連と化学関連に位置づけられます。しかし、異なる会社を買うことが必ず十分な分散になるとは限りません。

仮に保有している会社の多くが食品関連なら、さらに食品原料企業を増やすことで食品業界への依存が高まることもあります。一方、銀行や不動産、輸出企業に偏っていれば、異なる顧客・収益構造を持つ企業を検討する意味があるかもしれません。

会社の数だけでなく、需要先、海外売上、資金調達、原材料価格など、同じ経済要因で利益が動く可能性のある企業がどのくらい重なっているかを確認しましょう。

また、投資比率の調整は、銘柄を追加する場合だけでなく、保有比率が高くなりすぎた業種を少しずつ見直す場面でも役立ちます。売買のたびに税金や手数料が発生する場合があるため、形式的に月ごとに入れ替える必要はありません。

J-REITの比率調整で気を付けたいこと

第65回では、J-REITなどの投資比率も調整されていました。J-REITは不動産から得る賃料収入などを原資として分配金を支払う投資信託ですが、投資口価格の下落や分配金の減額が起きる可能性があります。

金利上昇は借入コスト、物件の評価、市場の要求利回りに影響します。2024年末は米国金利の上昇が相場の論点となっていましたが、国内REITの評価では日本国内の金利、賃料、保有不動産、資金調達条件も確認する必要があります。

当時のポートフォリオでは、利回りが3%台前半の企業についてすぐに除外せず、J-REITと合わせたバランスを見直す考え方が示されていました。利回りが一定水準を下回っただけで機械的に売却するのではなく、企業の実態を判断する必要があるということです。

ただし、過去のモデルでJ-REITを増やしたか減らしたかが、現在の適切な比率を示しているわけではありません。不動産への集中を避けたい人や、金融資産全体の価格変動が気になる人など、個人の状況で比率は異なります。

米国高配当ETFと日本の高配当株を比べる際の注意

米国の高配当ETFには、VYM、HDV、SCHDなど、採用ルールや業種配分、経費率が異なる商品があります。第65回の元投稿では、米国の高配当ETFについて当時の株価が割安とは言い切れず、増配率にも商品間で差があることが議論されていました。

米国高配当ETFでは、配当収入に加えてドル円の変動や、投資先企業の価格下落、ETFの運用コストを考える必要があります。米国の株式指数が上昇していても、すべての高配当ETFが同じ成績になるわけではありません。

また、配当金の増加率が高い年があっても、それが毎年続く保証はありません。分配金の額と株価、保有する株式の業績、長期的なトータルリターンを総合的に確認したいところです。

現在のETF情報を比較する場合は、必ず各運用会社の公式ページで最新の構成・経費率・分配実績を確認してください。

初心者がモデルポートフォリオを学習に使う8つの手順

  1. 毎月の支出と生活防衛資金を確認し、投資に使ってよい余裕資金を区別する。
  2. 年間いくら配当金が欲しいか、現実的な元本と減配リスクを計算する。
  3. 企業がどのような商品・サービスで収益を上げるか、主な顧客や業種を調べる。
  4. 利回りに記念配当・特別配当が含まれていないか確認する。
  5. EPS、配当性向、DOE、営業キャッシュフロー、借入金の推移を確認する。
  6. 現在の株価と最新の年間配当予想を使って新規購入時の利回りを計算する。
  7. 保有している企業・業種・通貨・金利への感応度が偏っていないか確認する。
  8. 月次モデルの採用・除外を売買指示と考えず、企業と自分の状況を再評価する。

初心者向けの配当の仕組みは高配当株投資の基本ガイドで整理しています。

2024年の市場がどのように変化したかは、2024年12月モデルや2024年11月モデルと続けて読むと、企業の選定理由と金利・為替の関係が分かりやすくなります。

よくある質問

Q.2025年1月モデルで新しく追加されたのは何社?

アリアケジャパン(2815)と日本精化(4362)の2社です。前月から除外された銘柄はなく、J-REITなどの保有割合を調整する構成でした。これは2025年1月当時のモデルに関する説明です。

Q.アリアケジャパンの配当利回り5.94%は現在も受け取れますか?

5.94%は元投稿時点で記念配当を含めた参考利回りでした。普通配当だけの参考利回りは3.56%と説明されており、記念配当を翌年以降も受け取れるとは限りません。最新の配当方針・株価・予想配当を確認してください。

Q.配当利回りが高くても普通配当が少なければ注意が必要?

はい。一時的な記念配当や特別配当によって高利回りに見える場合、翌年の配当額が減る可能性があります。企業の通常の利益と現金収入から継続できる水準を調べましょう。

Q.日本精化の財務が良いなら元本割れしませんか?

財務が健全な会社でも、株価は市場の需給、業績見通し、金利や景気の変化によって下落します。財務状態が良いことと株価の安全性は別です。

Q.米国債利回りが高ければ高配当株を買わない方がよい?

米国債と高配当株は利益の得られ方とリスクが違います。債券でも途中売却や為替に関するリスクがあり、株式は配当と値上がり益の双方を期待するものです。運用期間、必要な現金、許容損失を踏まえて比較します。

Q.モデルに組み入れられたJ-REITの割合を真似してよい?

過去のモデル配分は、当時の価格評価や金利環境に基づく例です。現在の資産構成、保有不動産、借入、運用目的などによって適切な比率は変わります。

まとめ:一時的な高利回りと長く続く配当を見分けよう

第65回の2025年1月モデルでは、アリアケジャパンと日本精化の2社が追加され、除外銘柄はありませんでした。円安や米国長期金利の上昇、国内外の高配当株指数の値動きが当時の判断材料となり、J-REITなどの資産配分も見直されています。

この回から学びたいのは、表面上の配当利回りに飛びつかないことです。記念配当を含めると高い利回りが表示されても、その配当は継続するとは限りません。配当を長く受け取ることを目指すなら、普通配当と特別な配当を分け、企業の利益や財務、業種の組み合わせを確認する必要があります。

また、過去の成功した相場やモデルを見て、将来も同じ成績が得られると考えないことも大切です。最新の価格・決算・税制を確認し、生活に必要なお金を確保したうえで、自分に合う方法を検討していきましょう。

※本記事は独立した非公式メディアによる情報提供・投資教育目的の解説です。金融商品や個別銘柄の売買を勧誘するものではありません。配当、値上がり益、元本を保証せず、最終的な投資判断は最新資料を確認したうえでご自身の責任で行ってください。

出典・情報基準日

歴史的な相場情報の基準日:主に2024年12月30日。元投稿:2025年1月6日。記事で使用した公開資料の確認日:2026年10月19日。