2025年5月モデルの結論:4銘柄を入れ替えて分散を見直した

高配当株を選ぶとき、株価が急落して配当利回りが高く見える場面には注意が必要です。安くなったというだけで買ってしまうと、企業の利益そのものが悪化し、あとから減配される可能性もあります。

2025年5月3日に紹介された高配当株の月次モデル第77回では、2025年4月に起きた関税政策をめぐる市場の急変を振り返り、これから高配当株ポートフォリオを組む場合のモデル例が示されました。

当時の例では、既存の4銘柄を新規投資候補から外し、別の4銘柄を加えています。新しいモデルの概算配当利回りは4.23%でした。

変更内容企業名
新規モデルへ追加JFEシステムズ、JACリクルートメント、アイチコーポレーション、パラマウントベッドホールディングス
新規モデルから除外日本ケアサプライ、ステップ、朝日ネット、伊藤ハム米久ホールディングス
当時のモデル概算配当利回り4.23%
元投稿の日付2025年5月3日

特に大事なのは、これは2025年当時のモデルであり、現在そのまま購入できるリストではないことです。例えばパラマウントベッドホールディングス(7817)は2026年2月5日に東京証券取引所で上場廃止となっています。元投稿の時点で同社がモデルに登場した事実と、今は上場株式として購入できない事実を分けて解説します。

資産形成ナビは個人が運営する独立した非公式メディアです。本記事は会員向けの元投稿から確認したテーマを、公開されている一次資料と照合しながら独自に解説したもので、元の投稿者・コミュニティ・講義の公式記事ではありません。非公開の元図表や字幕の全文を転載したものでもありません。

※相場数値の主な基準日は2025年4月30日、元投稿は2025年5月3日、記事の確認日は2026年10月19日です。株価・配当利回り・投資環境は当時と現在で異なります。特定銘柄の購入を推奨するものではなく、元本割れ・減配・無配・為替変動などのリスクを理解し、最新の企業資料で判断してください。

2025年4月の相場:関税ショック後に持ち直した日経平均

2025年4月30日の日経平均株価は36,045.38円でした。3月末の35,617.56円から427.82円、約1.20%上昇して月末を迎えています。

ところが、この数字だけでは4月の激しい値動きは伝わりません。日経平均プロフィルの公式月報によると、米国の相互関税をめぐる不安から4月7日に日経平均は前日比2,644円下落して31,136.58円となりました。その後、相互関税の上乗せ部分の一時停止が伝わると4月10日には前日比2,894.97円上昇しています。

月初の大幅下落と反発を経て、月末には前月より上昇していたわけです。月間のプラス1.20%という数字だけを見て「穏やかな上昇相場だった」と解釈するのは誤りになります。

2025年4月末の指標数値読み方
日経平均株価36,045.38円4月30日終値
前月末比+427.82円約1.20%の上昇
日経平均PER(加重平均)14.81倍公式の日次指数データ
日経平均PBR(加重平均)1.34倍公式の日次指数データ
米ドル/円143.07円元投稿に掲載された参考値
日経高配当株50の利回り約4.38%元投稿の参考値。条件をそろえた独立再計算は未実施
配当利回り3.75%以上の候補数909社元投稿の選別条件に基づく参考値

出典:日経平均プロフィル・2025年4月30日の日次サマリー、2025年4月の日経平均指数リポート。

日経平均の終値・PER・PBRと月間騰落率は日経の公開資料で確認しました。一方、為替、高配当株指数の利回り、候補企業数は元投稿で使われた当時の条件に基づく数字です。採用時刻や銘柄範囲をそろえた同一条件での再照合ができていないため、参考値として扱っています。

4月上旬の暴落で高配当株にも大きな下落が起きた

元投稿では、2025年4月の日本の高配当株指数は約5.4%、米国の高配当株指数は約3.5%下落したという参考比較が紹介されていました。

4月上旬の急落局面では、一時的な下落幅が日本側で約17%、米国側で約11%に達したとの説明もあります。ただし、これらは元投稿の採用指数・期間に基づく概算であり、配当再投資の有無や為替換算などの条件をそろえて独立検証できていません。厳密な同条件比較や将来の最大損失予測には使わないでください。

重要なのは「高配当株なら暴落時も値下がりしない」という考えが成立しないことです。業種に分散していても、世界的なリスク回避で株式が一斉に売られる局面はあります。

また、暴落時は株価の下落によって見かけの配当利回りが上昇します。これは収益力が改善したからとは限りません。

年間配当100円の株が2,500円から2,000円へ下がれば、予想利回りは4%から5%に上がります。しかし景気悪化で年間配当が60円に減れば、2,000円の株価に対する利回りは3%です。株価と配当予想を両方確認する必要があります。

なぜ2025年5月モデルでは8銘柄を入れ替えた?

元投稿では、4月の株価変動によって、従来の候補には新規購入時の配当利回りが低くなった銘柄がある一方、利回りが高くなり検討対象に入りやすくなった企業もあると整理されています。

その結果、4銘柄を外し、4銘柄を追加しました。

区分銘柄初心者が理解したいポイント
追加JFEシステムズ(4832)企業向けシステム開発、利益・人材投資・株主還元のバランス
追加JACリクルートメント(2124)人材紹介の景気感応度、求人市場・高配当政策
追加アイチコーポレーション(6345)高所作業車・特殊車両、公共設備投資と業績
追加パラマウントベッドHD(7817)医療・介護向けベッド。2026年2月に上場廃止済み
除外日本ケアサプライ元投稿時点での新規投資対象からの見直し
除外ステップ同上
除外朝日ネット同上
除外伊藤ハム米久ホールディングス同上

ここでの「除外」は、以前に購入した株を売らなければならないという意味ではありません。新しく購入する場合の株価と配当の条件が、モデルの想定と合わなくなったという位置付けです。

すでに株を持っている人には、購入時の株価、取得後の増配、売却時にかかる税金、保有目的など別の事情があります。また、保有を続ければ必ず有利という意味でもありません。企業の業績や財務に重要な問題が生じたときには、保有方針の見直しが必要になる場合があります。

前月は入れ替えがありませんでした。2025年4月モデルの解説と比較すると、相場の変化を踏まえて検討対象が入れ替わったことが分かります。

追加銘柄① JFEシステムズ(4832):システム投資と株主還元

JFEシステムズは、企業向け情報システムの開発、運用などを手がける情報サービス企業です。企業が基幹システムや生産管理・経営管理の仕組みを更新する際、ソフトウエアの開発や運用を担います。

企業のIT投資は長期的に重要なテーマですが、人材の確保や技術の変化が収益に影響します。システム開発ではプロジェクトの見積もりを誤ると利益が圧迫されることもあります。

2025年4月25日に公表された同社の2025年3月期決算説明会・中期経営計画資料では、株主還元を強化し、配当性向の目安を従来の35%から50%へ引き上げる計画が説明されています。

ただし、配当性向を引き上げれば必ず将来の配当が増えるわけではありません。企業利益が減れば、配当方針を維持した場合でも一株当たり配当額が減る可能性があります。

また、JFEシステムズは2025年4月1日付で1株を2株にする株式分割を実施しています。過去の配当金と現在の配当金を比較する場合は株式分割の調整有無に注意してください。分割前の数字をそのまま分割後の数字と比較すると、実質的な配当の増減を誤読します。

公式資料:JFEシステムズ・2025年3月期決算説明会の内容、配当政策。

情報システム企業の高配当で確認したいこと

ソフトウエア関連の企業を調べる場合は、受注残高、顧客業種、営業利益率、技術者数、人件費、外注費、営業キャッシュフローを確認しましょう。

案件が増えても人件費や外注費がそれ以上に増えれば利益率は下がります。反対に顧客企業のシステム更新が続き、効率的にサービスを提供できれば、利益や配当に好影響が出る場合があります。

追加銘柄② JACリクルートメント(2124):求人市場と配当を見極める

JACリクルートメントは、企業の採用活動と転職希望者を結び付ける人材紹介サービスなどを展開する企業です。専門職や管理職などの人材採用に強みを持つとされます。

人材紹介は、企業の採用意欲や景気の影響を受けやすい事業です。企業が採用を抑制すれば紹介成約数や売上が伸びにくくなる可能性があります。一方で、専門職の採用需要が強ければ収益を拡大できる場合もあります。

JACリクルートメントは株主還元を重視し、安定的に増配基調を維持することを基本方針としています。しかし、利益の増減に伴い配当性向が高くなる局面があるため、単に過去の増配実績があることだけで将来を保証するものではありません。

2025年5月モデルの説明では、当時の採用候補として扱われました。現在の購入可否や妥当な株価を判断する場合は、最新の業績予想と株価を基準に再計算する必要があります。

公式資料:JACリクルートメント・株主還元、IR情報。

追加銘柄③ アイチコーポレーション(6345):公共設備と特殊車両

アイチコーポレーションは、高所作業車、穴掘建柱車などの特殊車両を製造・販売する企業です。電力・通信設備の保守、建設・インフラ整備などの現場で使われます。

公共インフラの維持更新には長期的な需要がありますが、発注の時期や設備投資の延期、原材料価格、販売台数などで業績が変わる可能性があります。景気に左右されにくい用途があるからといって利益が毎年安定するとは限りません。

同社については、売上高だけでなく営業利益率、受注、在庫、設備投資、株主還元方針を確認すると理解が深まります。

公式確認先:アイチコーポレーション・IR情報、決算情報。

同じ製造業でもリスクは異なる

自動車メーカー、建設機械メーカー、特殊車両メーカーでは、景気の影響の受け方が同じではありません。アイチコーポレーションはインフラ設備などの需要を持ちますが、材料価格や顧客の投資意欲による影響もあります。

「製造業を3社に分散したから十分」という単純な判断ではなく、顧客、製品、受注の種類を確認するとよいでしょう。

追加銘柄④ パラマウントベッドHD(7817):現在は上場廃止

パラマウントベッドホールディングスは医療用・介護用ベッドなどの事業を展開してきた企業です。高齢化や医療・介護の需要に関係する事業であるため、当時のモデルでは生活必需性に近い事業を持つ候補として扱われていました。

ただし、これはあくまでも2025年5月の採用例です。

2026年2月5日、パラマウントベッドホールディングスの株式はMBO(経営陣による買収)に関連する手続きを経て東京証券取引所で上場廃止となりました。 現在、一般の上場株式と同じように証券取引所で新規購入することはできません。

当時の採用銘柄をそのまま購入するのではなく、上場廃止、TOB、MBO、合併、株式併合などの企業イベントを必ず確認しなければならない具体例です。

公式情報:パラマウントベッドHD・IR情報、MBOと上場廃止に関する案内、日本取引所グループ・上場廃止銘柄一覧。

過去モデルの銘柄が上場廃止になったら

TOBやMBOが発表されると株価が買付価格に近づくことがありますが、必ずその価格で売却できるわけではありません。応募期間、条件、成立可否、取引停止や上場廃止の時期などを確認する必要があります。

すでに保有している場合は、証券会社の案内、企業の開示、期限と税務上の取り扱いを優先してください。この記事は2025年の過去モデルを学ぶためのもので、現在のパラマウントベッド株の売買方法を案内するものではありません。

除外された4社は「悪い企業」になったのか

日本ケアサプライ、ステップ、朝日ネット、伊藤ハム米久ホールディングスは、元投稿の2025年5月モデルから除外された企業です。

この変更は、各企業の事業価値を全否定する意味ではありません。購入する際の株価が変わると予想配当利回りも変わり、ある時点のモデル条件から外れる場合があります。

たとえば年間配当80円の株式で、株価が2,000円なら予想利回り4%ですが、株価が2,400円へ上昇すると約3.33%です。配当が同じであっても、これから購入する人にとって受取配当の割合は小さくなります。

すでに保有している投資家が、購入時の株価を基準とした利回りや長期の増配方針を重視することもあります。ただし保有継続が必ず正しいという意味でもなく、企業の実態と資産全体の状況を見直すことが大切です。

購入する場合も保有する場合も、「モデルにあるかどうか」だけでは売買を判断できません。

概算利回り4.23%の見方

第77回モデルでは、2025年5月時点の概算配当利回りが4.23%と説明されていました。仮に税引前でその利回りを維持できるとすると、投資元本に対する年間配当額は次のように計算できます。

投資元本の仮定年間配当4.23%の単純計算
30万円12,690円
100万円42,300円
300万円126,900円
500万円211,500円
1,000万円423,000円

実際には、銘柄ごとの投資金額、売買単位、購入日、税金、配当の修正によって受取額が変わります。これは利回りが保証される計算ではありません。

仮に年間80万円の税引前配当を4.23%で賄うとすれば、単純計算で約1,891万円の投資元本が必要です。生活資金や借入返済を削ってまで急いで投資するのではなく、家計と将来の必要資金を確認しましょう。

また、株価が20%下落した場合、配当を受け取っていても資産全体のトータルリターンがマイナスになる可能性があります。利回りの高さだけで資産形成の安全性を判断してはいけません。

米国高配当ETF・債券・日本株を比較する際の注意点

元投稿では、日本の高配当株に相対的な割安感があるとする一方、米国株や米国高配当ETFについては株価水準を慎重に評価する見方が示されていました。

当時の参考値として、米国高配当ETFのVYMの利回りが約3.0%、HDVが約3.5%と紹介されています。これらは現在の分配金利回りではなく、採用日時や算出方法によって異なります。

日本株と米国ETFを比較する際には、配当の額だけでなく、株価の変動、分配金の持続性、業種配分、経費率、外国での課税、為替リスクを確認しましょう。

また、米国の債券は必ず株式より安全とは限りません。債券にも金利による価格変動、社債なら発行体の信用リスク、外貨建てなら為替リスクがあります。複数資産に投資しても損失を防げる保証はありません。

円で購入する日本株には為替リスクがない?

日本国内の上場株式は円建てで売買するため、購入時に米ドルへ交換する必要はありません。しかし海外事業を持つ企業は、海外売上や輸入原材料の価格を通じて円高・円安の影響を受けることがあります。

「購入時に直接為替取引をしない」と「企業の業績が為替変動と無関係」は別です。

輸出企業、輸入企業、国内サービス企業で為替の影響は異なるため、銘柄の事業構造も含めて考えましょう。

日本株の配当控除とNISAは最新条件で確認

国内上場株式の配当金には、課税口座とNISA口座で異なる取り扱いがあります。

NISA口座で国内上場株式の配当金を非課税で受け取るためには、原則として「株式数比例配分方式」を選択する必要があります。銀行口座へ直接受け取る設定の場合、NISA口座で保有していても課税される場合があります。

また、課税口座の配当控除はすべての配当に適用されるわけではありません。所得金額、申告方式、住民税、国民健康保険などへの影響で手取りが変わる場合があります。一定の税率が全員に適用されるという説明は正確ではありません。

制度や税制は改正される可能性があるため、金融庁・国税庁・証券会社の最新情報を確認してください。

出典:金融庁・NISAを知る、国税庁・上場株式等の配当。

初心者が実際に調べる順番

過去のモデルを学習資料として利用するなら、次の手順で各候補を確認すると整理しやすくなります。

  1. 生活防衛資金を確保し、すぐ必要な生活費を投資から分ける。
  2. 銘柄が現在も上場しているか、会社名や証券コードが変わっていないか確認する。
  3. 企業の主力事業、顧客、利益を生む仕組みを調べる。
  4. 直近の決算と営業キャッシュフロー、EPS、配当性向、借入金の状況を確認する。
  5. 記念配当や特別配当、株式分割がある場合、比較する数字の条件をそろえる。
  6. 最新の株価と年間配当予想から、新規購入時点の配当利回りを計算する。
  7. 業種、為替、金利、景気、資源価格など同時に動くリスクを確認する。
  8. NISAでの配当受取方法、税金、手数料を把握する。
  9. モデルへの追加・除外を売買の指示と誤解せず、投資目的と許容できる損失額を優先する。

基本用語が分からないときは、高配当株投資の基本ガイドを参考にしてください。

前回の関税ショックを整理した2025年4月モデル、竹内製作所を新たに検討した2025年3月モデルとあわせると、月ごとに価格評価が変わる理由が理解しやすくなります。

よくある質問

Q.2025年5月モデルでは何社が入れ替わりましたか?

新規モデルから4銘柄が除外され、新しく4銘柄が採用されました。当時の概算配当利回りは4.23%です。現在の株価や配当とは条件が異なります。

Q.パラマウントベッドHDは今から購入できますか?

同社の株式は2026年2月5日に東京証券取引所で上場廃止となりました。2025年モデルで採用されていても、2026年10月現在、通常の上場株式と同じ方法で新規購入することはできません。

Q.4.23%の利回りなら毎年同じ配当がもらえますか?

いいえ。4.23%は当時の株価と配当予想に基づくモデルの概算値です。企業の減配、株価変動、銘柄の変更などにより実際の受取額は変わります。

Q.モデルから外れた会社はすぐ売る必要がありますか?

除外は新規購入を前提としたモデル変更で、すべての保有者への売却指示ではありません。ただし経営や財務に問題が生じれば保有を再検討する必要もあります。

Q.関税ショックで下落した銘柄なら割安ですか?

企業の利益や配当見通しが下方修正されている場合、以前の株価より安いことが本当の割安さを意味するとは限りません。最新の企業開示を確認しましょう。

Q.日本株と米国高配当ETFのどちらが初心者向けですか?

投資期間、保有通貨、分散の度合い、税金、銘柄分析に使える時間などで適切な選択肢は変わります。どちらかが常に優れているとは言えません。

まとめ:モデル入れ替えは今の価格を評価するための教材

2025年5月モデルでは、関税ショックの影響で株価が大きく変動した後、新しく買う場合の条件を見直し、4銘柄を入れ替えました。

追加されたJFEシステムズ、JACリクルートメント、アイチコーポレーションは、それぞれ企業IT、人材紹介、特殊車両と収益構造が異なります。一方、過去に追加されたパラマウントベッドHDのように、その後に上場廃止となった企業もあります。

過去のモデルを今の相場にそのまま当てはめず、最新の株価、決算、配当予想、上場状況を必ず確認しましょう。配当の多さだけでなく、生活に必要な資金の確保とリスク分散を優先することが、長期の資産形成につながります。

※本記事は独立した非公式メディアによる情報提供・投資教育目的の解説です。特定の金融商品を推奨・勧誘するものではなく、将来の利益・配当・元本を保証しません。最終的な投資判断は最新情報を確認のうえ、ご自身の責任で行ってください。

参考資料・情報基準日

相場データは原則2025年4月30日時点。元投稿は2025年5月3日。確認日は2026年10月19日です。